関連用語

循環型社会

循環型社会とは、「廃棄物の発生抑制と適正な循環的利用・処分により、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」です。 循環型社会形成推進法では資源循環を促進するための優先順位を次のように示しています。

  1. ① 発生抑制(リデュース):製品等が廃棄物等となることを抑制する。
  2. ② 再使用(リユース):排出された廃棄物等についてはできるだけ資源として適正に再度使用する。
  3. ③ 再生利用(リサイクル):再使用できないものは原料などに再生して利用する。
  4. ④ 熱回収(サーマルリカバリー):再使用及び再生利用がされないものであって熱回収することができるものからは、焼却する際に熱を回収し有効に利用する。
  5. ⑤ 適正処分:循環的な利用ができないものについては適正な処分をする。

FIT制度・FIP制度

FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)は再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)を用いて発電された電気を、国が定める固定価格で一定の期間、電気事業者に調達を義務づける制度です。この制度により各電源で設備の導入が進みました。廃棄物処理施設等においては、木くず等の木質系バイオマスを活用した発電や食品廃棄物等を利用したバイオガスによる発電などがこれに該当します。
2022年度からFIT制度に加えて、市場連動型のFIP(フィードインプレミアム)制度が導入されました。事業者は市場連動価格にプレミアム(基準価格(FIP価格)から市場取引等により期待される収入(参照価格)を控除した額で1か月毎に更新)を上乗せした合計を収入として受け取ることになり、需要ピーク時に供給量を増やすインセンティブが働くようになります。

ダイオキシン類

強い毒性のある化学物質で、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)をまとめてダイオキシン類と呼んでいます。塩素を含んだ廃棄物などが低い温度で燃やされるか、完全燃焼しない場合に発生します。なお、ダイオキシン類対策の法律としては、平成11年7月に「ダイオキシン類対策特別措置法」が定められています。

脱炭素社会

脱炭素社会とは、地球温暖化対策推進法で「人の活動に伴って発生する温室効果ガスの排出量と吸収作用の保全及び強化により吸収される温室効果ガスの吸収量との間の均衡が保たれた社会」と定義されています。つまり、温室効果ガスの排出量と、森林などによる吸収量を均衡させ、全体としてゼロにすること(カーボンニュートラル(後述))を実現した社会のことをいいます。

温室効果ガス

温室効果ガスは、地表から放射される赤外線を吸収し、大気を温める性質を持つガスのことで、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素などがあります。廃棄物分野における温室効果ガス排出量は、環境省の統計では、全体の約3%程度ですが、これは廃棄物や廃棄物燃料の焼却に伴う非エネルギー起源の二酸化炭素の排出であり、それ以外の収集・運搬、処理等におけるエネルギー起源の二酸化炭素の排出は、運輸など廃棄物以外の分野に含まれています。

廃棄物系バイオマス

廃棄物系バイオマスは、再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものと定義されるバイオマスの中で、廃棄物に該当するものです。バイオマスは、下記に示すように、廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、資源作物に大別されます。 廃棄物系バイオマスは、 カーボンニュートラル により、人為的な二酸化炭素排出量としては計上されないので、 地球温暖化防止の観点からも、 有効利用が注目されています。

[バイオマスの種類と具体例]

バイオマスの種類 具体例
廃棄物系バイオマス 家畜排せつ物、下水汚泥、黒液、廃棄紙、食品廃棄物、製材工場等残材、建設発生木材
未利用バイオマス 農作物非食用部(稲わら、麦わら、もみ殻等)、林地残材(間伐材、被害木等)
資源作物 菜の花、さとうきび等

カーボンニュートラル(脱炭素社会)

温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ全体としてゼロにすることを目指す概念です。政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルの実現を地球温暖化対策推進法に明記しました。

LCA(Life Cycle Assessment)

LCAとは、製品などの天然資源採取から素材製造、製品製造、流通、消費・使用、廃棄・リサイクルに至るまで、ものの一生(ライフサイクル)にわたり、インプットとして投入する資源・エネルギーとアウトプットとして発生する環境負荷を定量的に評価する手法です。LCAについては、ISO(国際標準化機構)が国際規格を発行しており、廃棄物のリサイクルや処理の手法の環境負荷の大小をLCAによって評価することも可能です。

カーボンフットプリント

製品やサービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2排出量に換算し、製品に表示された数値もしくはそれを表示する仕組みです。

トレーサビリティ

トレーサビリティは、品質マネジメントの国際規格ISO9000やこれを反映したJIS規格(JISQ9000)では、「考慮の対象となっているものの履歴、適用または所在を追跡できること」と定義され、遡及性と追跡性の両方が含まれています。一般に、遡及性は、食品等の生産・販売履歴の確認に、一方、追跡性は、廃棄物等の排出から最終処分までの処理工程の確認に使用されています。いずれの場合も、消費者や使用者の安全・安心に関する信頼性を高めることを目的として採用されるもので、情報技術(IT)の進歩により、その適用が拡大しつつある仕組みです。
ITを利用したトレーサビリティの廃棄物への適用については、廃棄物の引渡しに際して必要な確認を行う電子マニフェストがその先駆となるものですが、より高い確認力が望まれる感染性廃棄物については、バーコード、QRコード(2次元バーコード)やICタグ(ICチップと小型アンテナが組み込まれ、電波により情報の読込み・読取りを行うシート状のもの)を収納容器に貼付して、個々の容器の移動過程を追跡管理する仕組みが実用化されています。

バイオハザードマーク(シンボル)

感染性物質やバイオハザード(生物学的危険源)の存在を示すマークまたはシンボルをいい、WHO(世界保健機関)やISO(国際標準化機構)など世界的に使用されているシンボルです。その図柄は、クレセント(三日月または鎌)と円環を組み合わせたものです。
廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアルは、収納する容器の外面に感染性廃棄物である旨およびその取り扱う際に注意すべき事項を明示すること、また、関係者が感染性廃棄物であると識別できるマーク等を付けることを要求しています。その場合のマークとしては、バイオハザードマークが推奨され、またその色は、収納する感染性廃棄物の性状により、以下のような色分けが推奨されています。

  • 液状または泥状のもの : 赤色
  • 固形状のもの : 橙色
  • 鋭利なもの : 黄色バイオハザードマーク
バイオハザードマーク

バイオハザードマーク

環境省「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」

CSR報告書

CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」と訳されていますが、企業は、従来的な利益の追求や株主への配当に加えて、社会的存在として、従業員、取引先、ユーザー、地域社会等に対する責任を果たすべきものという考え方をいいます。CSR報告書は、このような企業の諸活動について取りまとめ、報告書として公表したものです。
CSR報告書の内容としては、環境への対応、法令遵守、労働安全衛生、社会貢献などに関する目標と活動状況と経営トップのCSRに対する取組み方針等が盛り込まれます。特に、環境への対応については、環境報告書がCSR報告書に先立って取り組まれたという経緯から、CSR報告書の中核的位置を占めています。環境省は、企業の環境への対応を促進するため、環境報告ガイドラインを発出しています。

ウェルビーイング(well-being)

身体的、精神的に健康な状態であるだけでなく、社会的、経済的に良好で満たされている状態のあることを意味する概念です。国は「第六次環境基本計画」の中で、「環境の保全を通じて、現在及び将来の国民に一人一人の生活の質、幸福度、ウェルビーイング、経済厚生の向上」を最上位の目的としています。

環境配慮設計(エコデザイン)

製品のライフサイクル全体のおける環境効率を高める設計や生産技術・システム管理を行う手法です。これにより資源の効率的利用、製造工程の効率改善、製品の長寿命化のほか、製品の差別化、コスト削減等の効果があります。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)

人為起源による気候変動とその影響、対応策に関して、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により設立された組織です。
IPCC自身が研究するのではなく、世界中の科学者が発表する論文や研究データを集約し、科学的な分析のほか社会経済への影響や、気候変動への対応策などをレビューし、あくまで科学に則した中立で俯瞰的な知見を提供します。

国際サスティナビリティ基準審査会(ISSB)

企業のESG(環境・社会・ガバナンス)情報を国際的に統一して基準で開示するために設立された機関です。ISSBの開示基準の公表により、日本企業も開示に向けての対応が求められます。

国連環境計画国際資源パネル(UNEP-IRP)

地球規模での経済活動の拡大に伴い、天然資源の持続可能な利用の確保が国際社会の大きな課題となっていることから、国連環境計画(UNEP)により、天然資源の持続可能な利用および資源利用によるライフサイクルにわたる環境影響に関する独立した科学的評価の提供、並びにそれらの環境影響を経済成長から切り離す(デカップリング)方法に関する理解の増進を目的として2007年11月に設立されました。
持続可能な資源管理に係る分野の著名な専門家30名程度のパネルメンバーと20を超える各国政府やEC、OECD、UNEPなどの国際的な機関からなる運営委員会で構成され、事務局をUNEPが務めています。主な活動として、政府の政策担当者、産業界、社会に向けて、世界の重要な資源に関する課題に対し、実践的な解決策の開発を目的として下記の分野を対象とした評価報告書を作成しています。

サーキュラーエコノミー(循環経済)

経済活動においてモノやサービスを生み出す段階から、リサイクル・再利用を前提に設計するとともに、できる限り新たな資源の投入量や消費量を抑えることで既存のモノをムダにせず、その価値を最大限に生かし、持続可能な形で資源を効率的・循環的に有効利用する仕組みです。

サプライチェーン

企業における原料の調達から最終消費者に届けるまでの供給活動(調達・開発・生産・輸送・保管・販売)における全プロセスの繋がりです。事業者が他の事業者から原材料や部品等を調達する際に、製品の価格や品質に加えて環境配慮型の製品やサービスを優先的に選択するというサプライチェーンの環境配慮が進むことで、産業全体の環境配慮を進める効果が期待されています。

サプライチェーン排出量

事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指します。つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のことです。

静脈産業

静脈産業は、経済活動を人間の血液循環における静脈に喩えられる概念で、生産による資源消費を含む消費後の廃棄物等の収集、処理、再生・再資源化を担い、再生産につないでいく産業です。

動脈産業

動脈産業は、経済活動を人間の血液循環における動脈に喩えられる概念で、モノの生産から流通、消費までを担う産業です。

トリプルプラネタリークライシス

現在、地球が直面している三つの危機(気候変動、生物多様性の損失、環境汚染)のことです。

生物多様性

地球上の生命の多様さを指す概念で、生態系の多様性、種の多様性、種内(遺伝子)の多様性の3つのレベルで定義されており、私たちの暮らしを支える食料や水、気候の安定などの自然の恵みの源となっています。

ネイチャーポジティブ(自然再興)

生物多様性の損失を止め、反転させ、回復軌道に乗せることです。

物質フロー(マテリアルフロー)

人間活動に伴うモノの動きや流れのことです。マテリアルフローを分析することで、人間活動を通じてどれだけの資源を採取、消費、廃棄しているのかが分かります。マテリアルフロー分析(MFA)は、あるまとまりのあるシステム(国や地域など)における一定期間内のモノの流れを、系統的にかつ定量的に分析する手法です。

プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)

人間の活動が地球システムに及ぼす影響を客観的に評価する方法の一つです。地球の限界は、人間が地球システムの機能に9種類の変化を引き起こしているという考え方に基づいています。 9種類の変化の項目(1.気候変動、2.生物多様性の損失、3.生物地球化学的循環(窒素とリンの循環)、4.成層圏オゾン層の破壊、5.海洋酸性化、6.土地利用変化、7.淡水利用、8.大気エアロゾル負荷、9.新規化学物質による汚染)について人間が安全に活動できる範囲にとどまれば人間社会は発展し、繫栄できますが、境界を超えることがあれば、人間が依存する自然資源に対して回復不可能な変化が引き起こされます。

リニアエコノミー(線形経済)

大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済・社会様式につながる一方通行型のプロセスを指し、資源を採取し、製品を生産、消費者が購入して使用、そして製品の寿命が尽きると廃棄することです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することです。

Scope1、2、3

サプライチェーンにおける温室効果ガス(GHG)排出量の算定、報告に必要な考え方です。
Scope1...事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2...他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3...Scope1 、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

SDGs(持続可能な開発目標)

2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されました。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身で取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

GHG排出量(温室効果ガスの排出量)

ある期間(例えば1年間)に大気中に排出された温室効果ガスの総量を指し、主に二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、およびフロン類(HFC、PFC)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)などのガスを含むものです。これらのガスの排出量は通常、CO2換算トン(CO2e)で表され、これにより、異なる種類の温室効果ガスの影響を統一的に比較できるようになります。これらのガスが大気中に大量に排出されることで、地球温暖化を促進し、気候変動の主因となり、特に、人間活動によるGHG排出量の増加が地球温暖化の主要な原因と考えられています。
日本では「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」に基づき、平成18年4月1日から、温室効果ガスを多量に排出する者(特定排出者※)に、自ら温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられており、また、国は報告された情報を集計し、公表することとされています。
※エネルギー使用量の合計が原油換算1,500KL/年以上の事業者又は従業員数21人以上かつ非エネルギー期限GHG排出量3,000t CO2/年以上の事業者が該当。産業廃棄物の処分業者において、廃油、廃プラスチック類を1,000t/年以上焼却している場合は該当する可能性が高いので、必ず確認すること。

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