産廃知識 PRTR制度とSDS制度

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度とは、汚染物質の排出および移動登録に関する制度であり、有害性が疑われる汚染化学物質が、どこから、どの程度、環境中へ排出されているか、あるいは廃棄物等の一部として移動しているかを把握し、集計・公表する仕組みのことをいいます。

日本においては、「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律」(略称:PRTR法、または化管法)として平成11(1999)年に制定され、平成12年3月から施行されています。同法は、特定の化学物質の排出量の把握・届出に関する措置、PRTR制度や、その性状や取り扱いに関する情報の提供に関する措置、SDS(Safety Data Sheet)制度を講じることにより、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的としています。

PRTR制度に基づき、事業者は、届出対象要件(届出対象業種、常用従業員が21人以上、適用外製品要件に非該当、取扱量が年間1トン以上、特別要件施設がある)に該当する場合は、国に排出量を届出しなければなりません。一方、届出外排出量は、国が推計することとなっており、廃棄物処理施設からの排出も、国推計の対象となっています。

SDS制度とは、対象化学物質または当該化学物質を指定割合以上含有する製品を事業者間で譲渡・提供する際に、SDS(安全データシート)の提供を義務付けた制度です。
PRTR・SDS制度の施行を踏まえ、廃棄物処理法では、廃棄物の処理に係る委託契約の締結に際して、必要な情報の提供を求めています(規則第8条の4の2第6号)。また、廃棄物情報の提供に関するガイドライン(WDSガイドライン)が環境省より発出されています。

環境省「廃棄物データシート(WDS)」
ページトップへ