産廃知識 帳簿の記載

(1) 帳簿作成の必要性

次の事業者、処理業者は、産業廃棄物の処分状況を正確に記載した帳簿を作成することが法で定められています。

  1. 産業廃棄物収集運搬業者・産業廃棄物処分業者(法第14条第17項)
  2. 特別管理産業廃棄物収集運搬業者・特別管理産業廃棄物処分業者(法第14条の4第18項)
  3. 事業活動に伴って生ずる産業廃棄物を処理するために、産業廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設以外の 産業廃棄物の焼却施設が設置されている事業場を設置している事業者および産業廃棄物を生ずる事業場の外において自ら当該産業廃棄物の処分 又は再生を行う事業者(法第12条第13項、令第6条の4)
  4. 特別管理産業廃棄物を生ずる事業者(法第12条の2第14項)

(2) 帳簿の記載事項と記載期限

帳簿の記載事項、記載期限は、次のように定められています。また、帳簿の様式については定めておりませんので、決められた記載事項を満たしていれば独自の様式で帳簿を作成することが可能です。

  1. 産業廃棄物収集運搬業者・処分業者(規則第10条の8)および特別管理産業廃棄物収集運搬業者・処分業者(規則第10条の21)
    区分 記載すべき事項 記載期限
    収集又は運搬 1. 収集又は運搬年月日 翌月末まで
    2. マニフェストごとの交付者氏名又は名称、交付年月日及び交付番号 交付日より10日以内
    3. 受入先ごとの受入量 翌月末まで
    4. 運搬方法及び運搬先ごとの運搬量
    5. 積替え又は保管を行う場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量
    運搬の委託 1. 委託年月日 翌月末まで
    2. 受託者の氏名又は名称及び住所並びに許可番号 翌月末まで
    3. マニフェストごとの交付年月日及び交付番号 引渡しまで
    4. 運搬先ごとの委託量 翌月末まで
    処分 1. 受入れ又は処分年月日 翌月末まで
    2. 交付又は回付されたマニフェストごとの交付者氏名又は名称、交付年月日及び交付番号 交付日より10日以内
    3. 受け入れた場合には、受入先ごとの受入量 翌月末まで
    4. 処分した場合には、処分方法ごとの処分量
    5. 処分(※埋立処分及び海洋投入処分を除く)後の産業廃棄物の持出先ごとの持出量
    処分の委託 1. 委託年月日 翌月末まで
    2. 受託者の氏名又は名称及び住所並びに許可番号
    3. 交付したマニフェストごとの交付年月日及び交付番号 引渡しまで
    4. 交付したマニフェストごとの、交付又は回付されて受け入れた(特別管理)産業廃棄物に係るマニフェストの交付者氏名又は名称、交付年月日及び交付番号
    5. 交付したマニフェストごとの、受け入れた(特別管理)産業廃棄物に係る第8条の31の5第3号の規定による通知に係る処分を委託した者の氏名又は名称及び登録番号
    6. 情報処理センターへの登録ごとの、交付又は回付されて受け入れた(特別管理)産業廃棄物に係る管理票の管理票交付者の氏名又は名称、交付年月日および交付番号
    7. 情報処理センターへの登録ごとの、受け入れた(特別管理)産業廃棄物に係る第8条の31の5第3号の規定による通知に係る処分を委託した者の氏名又は名称および登録番号
    8. 受託者ごとの委託の内容及び委託量 翌月末まで

    備考 各区分の事項に係る産業廃棄物に石綿含有廃棄物が含まれる場合は、それに係るものを明らかにすること(規則第10条の8)。
    ※ 特別管理産業廃棄物の場合は、(埋立処分を除く)のみ

  2. 産業廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設以外の産業廃棄物の焼却施設が設置されている事業場を設置している事業者(規則第8条の5第1項第1号)
    • イ 処分年月日
    • ロ 処分方法ごとの処分量
    • ハ 処分(埋立処分および海洋投入処分を除く。)後の廃棄物の持出先ごとの持出量
  3. 産業廃棄物を生ずる事業場の外において自ら当該産業廃棄物の処分又は再生を行う事業者(規則第8条の5第1項第2号)
    区分 記載事項 記載期限
    運搬 1. 当該産業廃棄物を生じた事業場の名称及び所在地 翌月末まで
    2. 運搬年月日
    3. 運搬方法及び運搬先ごとの運搬量
    4. 積替え又は保管を行う場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量
    処分 1. 当該産業廃棄物の処分を行った事業場の名称及び所在地 翌月末まで
    2. 処分年月日
    3. 処分方法ごとの処分量
    4. 処分(埋立処分及び海洋投入処分を除く。)後の廃棄物の持出先ごとの持出量

    備考 各区分の事項に係る産業廃棄物に石綿含有廃棄物が含まれる場合は、それに係るものを明らかにすること。

  4. 特別管理産業廃棄物を生ずる事業者(規則第8条の18)

    ※平成22年改正により「運搬の委託」「処分の委託」の欄とこれに関する省令が削除された。特別管理産業廃棄物を生ずる事業者が自社で運搬、または処分する場合は以下の項目に関する帳簿を備え付ける。

    区分 記載事項 記載期限
    運搬 1. 当該特別管理産業廃棄物を生じた事業場の名称及び所在地 翌月末まで
    2. 運搬年月日
    3. 運搬方法及び運搬先ごとの運搬量
    4. 積替え又は保管を行う場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量
    処分 1. 当該特別管理産業廃棄物の処分を行った事業場の名称及び所在地 翌月末まで
    2. 処分年月日
    3. 処分方法ごとの処分量
    4. 処分(埋立処分を除く。)後の廃棄物の持出先ごとの持出量

(3) 帳簿の備付け・閉鎖・保存

帳簿の備付け、閉鎖、保存については、以下のように定められています。
(規則第10条の8第3項、第10条の21第3項、第8条の5第3項、第8条の18第3項)

  1. 帳簿は、事業場ごとに備え、毎月末までに前月中の事項について記載を終了すること。
  2. 帳簿は、1年ごとに閉鎖すること。
  3. 帳簿閉鎖後は、事業場ごとに5年間保存すること。

また、帳簿を備えない、帳簿に記載しない、虚偽の記載をする、保存を怠ると、罰則が適用されます。(法第30条)

ページトップへ