PCB特措法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)
(1)高濃度PCB廃棄物の基準
高濃度PCB廃棄物となる基準

高濃度PCB廃棄物の処分期間
PCB特措法に基づき事業地域毎に設定された処分期間は既に終了している(令和8年3月31日終了)。万一、新たに高濃度PCB廃棄物が発見された場合は、直ちに都道府県等に連絡すること。
(2)低濃度PCB廃棄物の基準
低濃度PCB廃棄物の区分
- 汚泥、紙くず、木くず又は繊維くずのうち、当該汚泥、紙くず、木くず又は繊維くずに塗布され、又は染み込んだPCBの量が汚泥、紙くず、木くず又は繊維くず1㎏につき100,000㎎(10%)以下のもの
- 廃プラスチック類のうち、当該廃プラスチック類に付着し、又は封入されているPCBの量が廃プラスチック類1㎏につき100,000㎎(10%)以下のもの

出典:環境省「低濃度PCB廃棄物の処理に関するガイドライン-焼却処理編-(令和2年10月改訂)」を一部修正
※PCBを使用していないとする電気機器等であって、非意図的に微量の PCB に汚染された絶縁油を含むもの
低濃度PCB廃棄物の処分期間
低濃度PCB廃棄物の保管事業者は、令和9年3月31日までに、そのPCB廃棄物を自ら処分するか、又は処分を他人に委託しなければならない。
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法等の改正
令和8年6月19日付けでポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法(JESCO法)の一部を改正する法律が公布され、一部を除き令和9年4月1日から施行されることとなった。
(1)改正の背景
- 高濃度PCB使用製品の届出に係る規定はあるが、低濃度PCB使用製品(トランス、コンデンサー等)については届出に係る規定や管理に係る基準がなく、課題であった。
- 低濃度PCB廃棄物については処分期限(2027年3月31日まで)が定められているが、今後、 低濃度PCB使用製品の使用を終了して廃棄物となった場合や保管中の廃棄物が低濃度PCB 廃棄物であると判明した場合についても当該廃棄物を確実に処理する必要がある。
- 高濃度PCB廃棄物については、JESCOによる処分事業が既に終了しているが、今後も、少量・ 散発的に新たな高濃度PCB廃棄物が発見される可能性があり、その処理が課題であった。
(2)改正の概要
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低濃度PCB使用製品の届出義務等
低濃度PCB使用製品を所有する者に対して、都道府県知事への届出義務及び管理基準の遵守を課すとともに、同製品の使用を終了した者又は保管する廃棄物が低濃度PCB廃棄物と判明した者に対して届出義務を課し、一定の期間内に処分を義務付けることとする。
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高濃度PCB廃棄物の処分義務
保管する廃棄物が高濃度PCB廃棄物と判明した者に対しても、一定の期間内に処分を義務付けることとする。
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PCB廃棄物処理計画の廃止
都道府県等におけるPCB廃棄物処理計画の策定義務等を廃止することとする。
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JESCOの事業の見直し
JESCOの事業の範囲を見直すこととする。
循環型社会の形成
廃棄物・リサイクル対策については、廃棄物処理法の改正、各種リサイクル法の制定等により拡充・整備が図られてきているが、今日、我が国は様々な課題に直面し、「廃棄物の発生量の高水準での推移」、「リサイクルの一層の推進の要請」、「廃棄物処理施設の立地の困難性」、「不法投棄の増大」などへの対処は喫緊の課題となっている 。
(1)循環型社会とは
循環型社会とは、「廃棄物の発生抑制と適正な循環的利用・処分により、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」であり、大量生産・大量消費・大量廃棄に代わる、持続可能な社会のことである。
現在では、「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、生産から流通、消費、廃棄に至るまで物質の効率的な利用やリサイクルを進めることにより、資源の消費が抑制され、環境への負荷が少ない「循環型社会」を形成することが急務となっている。
平成12年に制定された循環型社会形成推進基本法※は、持続可能な循環型社会を実現し、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的としている。
※循環型社会形成推進基本法の概要 https://www.env.go.jp/recycle/circul/kihonho/gaiyo.html
国では、環境基本法をはじめ、循環型社会形成推進基本法を柱とする資源有効利用促進法や容器包装リサイクル法等のさまざまな廃棄物関連法を制定し、国民・事業者・地方公共団体そして国自らに資源の循環と廃棄物の発生抑制等について努力するように求めている(図1参照)。

図1 循環型社会の形成の推進のための法体系
(2)線形経済から循環経済へ
持続可能な社会の創造のためには、従来からの大量生産、大量消費、大量廃棄といった流れが一方通行の「線形経済(リニアエコノミー)」から、持続可能な形であらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を図る「循環経済(サーキュラーエコノミー)」へ移行する必要がある。循環経済とは、単にリサイクルを進めるだけではなく、3Rの取組に加え資源投入量と消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながらサービス化等を通じて付加価値を生み出す経済システム(図2参照)であり、同時に、地球温暖化対策や廃棄物問題等、様々な環境問題にも寄与するシステムである。
廃棄物処理業界は従来の線形の廃棄物処理業から資源循環産業へ移行することで、「循環経済」の輪を回転させる原動力として期待されている。

図2 従来の線形経済から循環経済へ
出典:環境白書(令和3年版)を一部修正
各種リサイクル法
廃棄物の処理を適正、かつ円滑に推進していく上で必要不可欠な法令には、廃棄物処理法のほか、リサイクル関連法や環境に関する各種の法令等があり、排出事業者、処理業者はこれら多くの法令等の適用を受け、規制の対象となるすべての法令等を遵守しなければならない。
したがって、排出事業者、処理業者は、適用される法令等を十分に認識するとともに、新たに制定される法令等や法改正を適宜、的確に把握する必要がある。
特にリサイクルについては、廃棄物処理法のほか、廃棄物の種類に応じて個別のリサイクルシステムが構築されているので留意が必要である。平成7年に容器包装リサイクル法、平成10年に家電リサイクル法、平成12年に建設リサイクル法と食品リサイクル法、平成14年に自動車リサイクル法、平成24年に小型家電リサイクル法、令和3年にプラスチック資源循環法、令和6年に再資源化事業等高度化法が順次成立し、現在の各種リサイクル法の枠組みが整備された。
各種リサイクル法に基づき、産業廃棄物を処理する場合、産業廃棄物処理業の許可が必要なものや不要なものがあるので、産業廃棄物処理業者は、許可の要不要に留意し、適切に対処する必要がある(表1参照)。
表1 各種リサイクル法の概要

プラスチック資源循環促進法(令和3年成立)
(1)リサイクルの枠組み(概要)
製品の設計からプラスチック廃棄物の処理までに関わるあらゆる主体におけるプラスチック資源循環等の取組(3R+Renewable)を促進するための措置を講じるとしている。
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設計・製造
【環境配慮設計指針】
製造事業者等が努めるべき環境配慮設計に関する指針を策定し、指針に適合した製品であることを認定する仕組みを設ける。 -
販売・提供
【使用の合理化】
ワンウェイプラスチックの提供事業者(小売・サービス事業者など)が取り組むべき判断基準を策定する。
主務大臣の指導・助言、ワンウェイプラスチックを多く提供する事業者への勧告・公表・命令を措置する。 -
排出・回収・リサイクル
【市区町村の分別収集・再商品化】
プラスチック資源の分別収集を促進するため、容リ法ルートを活用した再商品化を可能にする。
市区町村と再商品化事業者が連携して行う再商品化計画を作成する。
主務大臣が認定した場合に、市区町村による選別、梱包等を省略して再商品化事業者が実施することを可能とする。【製造・販売事業者等による自主回収】
製造・販売事業者等が製品等を自主回収・再資源化する計画を作成する。
主務大臣が認定した場合に、認定事業者は廃棄物処理法の業許可が不要になる。【排出事業者の排出抑制・再資源化】
排出事業者が排出抑制や再資源化等の取り組むべき判断基準を策定する。
主務大臣の指導・助言、プラスチックを多く排出する事業者(当該年度の前年度においてプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量が250トン以上)への勧告・公表・命令を措置する。
排出事業者等が再資源化計画を作成する。
主務大臣が認定した場合に、認定事業者は廃棄物処理法の業許可が不要になる。
(2)対象となる廃棄物
プラスチック使用製品廃棄物等(プラスチック使用製品廃棄物、プラスチック副産物)
(3)廃棄物処理法との関係
対象となるプラスチック廃棄物は一般廃棄物、産業廃棄物ともにあり、認定事業者と認定事業者の委託業者(以下「認定事業者等」という。)は認定を受けた事業計画の範囲で、処理業の許可が不要となる。認定事業者等は、収集・運搬又は処分に係る委託基準、処理基準等廃棄物処理法の適用を受ける。
再資源化事業等高度化法(令和6年成立)
(1)法による措置の枠組み(概要)
特に処分量の多い産業廃棄物処分業者への勧告等の措置と再資源化の実施状況報告及び公表、再資源化事業等の高度化に係る認定制度の創設等の措置を講じ、脱炭素化と再生資源の質と量の確保等の資源循環の取組みを一体的に推進する。
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環境大臣は、特に処分量の多い産業廃棄物処分業者(特定産業廃棄物処分業者※)で再資源化の取組みが著しく不十分であると認める場合は、産業全体の社会的評価が損なわれないよう、必要に応じて、勧告等の措置を講ずる。
※ 当該年度の前年度において処分を行った産業廃棄物の数量が1万t以上の産業廃棄物処分業者、又は、当該年度において処分を行った廃プラスチック類の数量が1,500t以上の産業廃棄物処分業者
- 特定産業廃棄物処分業者は、毎年度6月30日までに、産業廃棄物の種類及び処分の方法の区分ごとに、その前年度における処分を行った数量及びその再資源化を実施した数量を環境大臣に報告しなければならない。特定産業廃棄物処分業者以外の処分業者も、同様の内容を環境大臣に報告できる。
- 「高度再資源化事業」、「高度分離・回収事業」、「再資源化工程高度化」の3つの認定制度を創設しており、この認定を取得することにより廃棄物処理業の許可が不要になる等が規定されている。
(2)対象となる廃棄物
「再資源化」を廃棄物の全部又は一部を部品又は原材料その他製品の一部として利用することができる状態にすることと定義しており、すべての一般廃棄物、産業廃棄物が対象となる。
(3)廃棄物処理法との関係(特例等)
- 高度再資源化事業計画認定を受けると、一般廃棄物、産業廃棄物の収集・運搬業、処分業の許可が不要となるほか、廃棄物処理法では原則禁止とされる再委託が可能となる。また、積替保管、処分に係る保管量、保管期間の基準を設けていない。
- 高度分離・回収事業計画認定を受けると、一般廃棄物、産業廃棄物の処分業の許可、処理施設の設置許可が不要となる。
- 再資源化工程高度化計画認定を受けると、既に設置されている「廃棄物処理施設の変更」について、変更許可を受けたものとみなされる。
