廃棄物
廃棄物とは、占有者が、自分での利用や他人に有償で売却できないために不要となった固形状または液状のもの(放射性物質およびこれによって汚染された物を除く)をいい、産業廃棄物と一般廃棄物に分類されます。工場からの排ガスや自動車の排出ガスなどの気体状のものは、廃棄物には該当しません。 なお、ある特定のものが廃棄物に当たるかどうかは、取引価値の有無、占有者の意思、その性状などを総合的に勘案して判断されます。
産業廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類をいいます。ここでいう事業活動には、製造業や建設業などのほか、オフィス、商店等の商業活動や、水道、学校等の公共事業も含まれます。事業活動に伴って排出される廃棄物であっても、こちらの表に該当しないものは一般廃棄物となります。事務所などから排出される紙くずや段ボール、飲食店からの残飯、小売店からの野菜くずなどは「事業系一般廃棄物」、家庭での日常生活から排出される紙くず、段ボール、残飯、野菜くずなどは「生活(家庭)系一般廃棄物」とよばれています。
特別管理産業廃棄物
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性、その他の人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものをいいます。特別管理産業廃棄物の種類はこちらの表のとおりです。
感染性廃棄物
医療機関、試験研究機関等から医療行為、研究活動に伴って発生し、人に感染症を生じさせるおそれがある病原微生物が含まれるもしくは付着している廃棄物、またはこれらのおそれのある廃棄物をいいます。
ダイオキシン類
化学物質の中で、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)をまとめてダイオキシン類と呼んでいます。塩素を含んだ廃棄物などが低い温度で燃やされるか、完全燃焼しない場合に発生します。強い毒性があり、人体に悪影響を及ぼすといわれています。なお、ダイオキシン類対策の法律としては、平成11年7月に「ダイオキシン類対策特別措置法」が定められています。
環境省「廃棄物処理に係るダイオキシン対策」
環境省「ダイオキシン類対策」
(水・大気環境)
PCB廃棄物
PCB廃棄物とは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、ポリ塩化ビフェニルを含む油又はポリ塩化ビフェニルが塗布され、染み込み、付着し、もしくは封入された物が廃棄物となったもの(環境に影響を及ぼすおそれの少ないものとして政令で定めるものを除く)をいいます。PCB廃棄物は、難分解性で人の健康および生活環境に係る被害を生ずるおそれがあることから、特別管理産業廃棄物に定められています。平成13年6月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」が定められ、平成28年までに、事業者が保管しているPCB廃棄物を、自ら処分し、または、処分を他人に委託しなければならないことになっています。
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環境省「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物処理」
石綿(アスベスト)
石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物です。その繊維が極めて細いため、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において、所要の措置を行わないと、石綿が飛散して人が吸入してしまうおそれがあります。ビル等の建築工事での石綿の吹付け作業は、昭和50年に原則禁止となり、石綿を原材料として使用したスレート材、ブレーキライニング、ブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材(石綿含有製品)も、現在では原則として製造禁止となっています。石綿含有製品が廃棄物となったものについては、飛散性の有無から、「廃石綿等(飛散性アスベスト)」、「石綿含有廃棄物(非飛散性アスベスト)」に分類され、廃棄物処理法の規制内容が異なります。
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廃石綿等(飛散性アスベスト)
「廃石綿等」は、廃棄物処理法では「廃石綿及び石綿が含まれ、若しくは付着している産業廃棄物のうち、飛散するおそれのあるもの」と定義され、特別管理産業廃棄物として規定されています。廃石綿等には、吹付け石綿除去物、石綿含有保温材、石綿の付着している養生材等があげられます。
石綿含有産業廃棄物(非飛散性アスベスト)
工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた石綿をその重量の0.1%を超えて含有するもの(廃石綿等を除く)で、石綿含有成型板のような非飛散性のアスベストを含む廃棄物です。石綿含有産業廃棄物は、飛散性を有する「廃石綿等」とは異なり、特別管理産業廃棄物には該当せず、産業廃棄物の「がれき類」または「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に分類されます。ただし、中間処理施設等において破砕等の処理が行われた場合には、飛散性を持つおそれがあるため、取り扱いに留意する必要があります。
在宅医療廃棄物
在宅医療廃棄物は、一般家庭での在宅医療に伴って排出される廃棄物であり、鋭利ではないもの(ビニールバッグ類、チューブ・カテーテル類等)、鋭利ではあるが安全な仕組みをもつもの(ペン型自己注射針)、鋭利なもの(医療用注射針、点滴針)に分けられます。在宅医療廃棄物の処理に当たっては、環境省から「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き」が発出されています。同手引きでは、現段階で最も望ましい処理方法として、「(1)注射針等の鋭利なものは、医療関係者あるいは患者・家族が医療機関へ持ち込んで感染性廃棄物として処理する。(2)その他の非鋭利なものは、市町村が一般廃棄物として処理する。」が示されています。市町村は、都道府県、医療機関、薬局、訪問看護ステーション、メーカーなどの関係者と連携して地域の状況に応じた方法を検討し、一般廃棄物処理計画の中に位置づける等の手続きをとることが要望されています。
環境省「在宅医療廃棄物の処理に関する取組推進のための手引き」
中間処理産業廃棄物
中間処理産業廃棄物とは、産業廃棄物の発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において、産業廃棄物を処分した後に発生する産業廃棄物をいいます(法第12条3)。中間処理産業廃棄物の処理を委託する中間処理業者には、委託基準の遵守やマニフェストの交付義務があります。しかし、産業廃棄物の処理責任は、最初に排出した者にあって中間処理により変更が生じないとされているため、中間処理業者は、中間処理産業廃棄物を「自社物」として、業の許可を受けずに収集運搬または処分を行うことはできません。
安定型産業廃棄物
安定型産業廃棄物は、安定型最終処分場に埋立処分できる次のような産業廃棄物です。
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(1)廃プラスチック類(次にア〜ウに掲げるものを除く)
- ア.自動車等破砕物[自動車(原動機付自転車を含む)もしくは電気機械器具またはこれらのものの一部{自動車の窓ガラス、自動車のバンパー(プラスチックまたは金属から成る部分に限る)および自動車のタイヤを除く}の破砕に伴って生じたもの]
- イ.廃プリント配線板(鉛を含むはんだが使用されているもの)
- ウ.廃容器包装(固形状または液状の物の容器または包装であって不要物であり、アルキル水銀等の有害物質または有機性の物質が混入し、または付着しているもの)
- (2)ゴムくず(事業活動に伴って生じたもの)
- (3)金属くず(自動車等破砕物、廃プリント配線板、鉛蓄電池の電極であって不要物であるもの、鉛製の管または板であって不要物であるものおよび廃容器包装であるものを除く)
- (4)ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築または除去に伴って生じたものを除く)および陶磁器くずで事業活動に伴って生じたもの[自動車等破砕物、廃ブラウン管(側面部に限る)、廃石膏ボードおよび廃容器包装であるものを除く]
- (5)工作物の新築、改築または除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物(事業活動に伴って生じたもので「がれき類」という)
- (6)環境大臣が指定したもの(現在、石綿溶融物が指定されている)
指定有害廃棄物
指定有害廃棄物は、人の健康または生活環境に係る重大な被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物として政令で定めるものであり、その保管、収集・運搬または、特別管理廃棄物に準じて行なう必要があります。指定有害廃棄物としては、硫酸ピッチ(廃硫酸と廃炭化水素油との混合物で著しい腐食性を有するもの)が指定されています(令第15条)。
硫酸ピッチ
硫酸ピッチは、炭化水素油の精製に硫酸を使用した場合に生じる強酸性で腐食性や毒性が強い廃棄物です。近年、脱税目的で重油と灯油から軽油代替物を製造する過程で生じた硫酸ピッチの不法投棄などの不適正処理が社会問題化したことを契機に、硫酸ピッチは、指定有害廃棄物に定められています。
















