低炭素社会
低炭素社会とは、地球温暖化防止に向けて、究極的には、温室効果ガスの排出を自然が吸収できる量以内にとどめる(カーボンニュートラル)社会をめざすものです。そのためには、産業、行政、国民などの社会のあらゆるセクターが、省エネルギー・低炭素エネルギー利用の推進や3Rの実行による資源生産性の向上等を図って温室効果ガス排出量を最小化することが必要です。また、同時に、大量消費から豊かさを実感できる簡素な暮らしへの志向や二酸化炭素吸収等に不可欠な森林等の維持・再生を図る自然との共生も必要となります。低炭素社会づくりにあたって、廃棄物分野では、焼却処理に伴うエネルギー回収や最終処分場からの温室効果ガスの発生抑制などが求められています。
参考(中央環境審議会地球環境部会(第71回)配布資料)
温室効果ガス
温室効果ガスとしては、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、オゾン、クロロフルオロカーボン(フロン)が代表的なものとして知られていますが、水蒸気もその一つです。各ガスの温室効果の程度には違いがあり、二酸化炭素の温室効果能力を1とすると、メタンは21、一酸化二窒素は310とされています。二酸化炭素は、その温室効果能力は他のガスと比べて小さいですが、化石燃料の利用に伴って大量に排出されるので、温室効果ガスの代表とされ、その排出量が、地球温暖化対策の指標として使われています。
廃棄物系バイオマス
廃棄物系バイオマスは、再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものと定義されるバイオマスの中で、廃棄物に該当するものです。バイオマスは、下記に示すように、廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、資源作物に大別されますが、廃棄物系バイオマスがバイオマスの多くを占めます。バイオマスを構成している炭素は、生物が太陽エネルギーを利用しながら光合成によって大気中の二酸化炭素を固定したものであり、バイオマスを燃焼させて二酸化炭素を大気中に放出しても、元々現在の大気中に存在した二酸化炭素が元に戻るので二酸化炭素濃度を上昇させないという考え方(カーボンニュートラル)により、人為的な二酸化炭素排出量としては計上されません。そのため、地球温暖化防止の観点からも、廃棄物系バイオマスの具体例に示す産業廃棄物の有効利用が注目されています。
[バイオマスの種類と具体例]
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廃棄物系バイオマス
家畜排せつ物、下水汚泥、黒液、廃棄紙、食品廃棄物、製材工場等残材、建設発生木材 -
未利用バイオマス
農作物非食用部(稲わら、麦わら、もみ殻等)、林地残材(間伐材、被害木等) -
資源作物
菜の花、さとうきび等
コベネフィット
コベネフィットとは、相乗便益ともいい、一つの政策、行動計画、対策などの成果から生まれる複数の分野における複数のベネフィット(便益・効果)のことです。例えば、ある廃棄物処理が、温室効果ガス排出量削減、環境負荷低減、エネルギーの効率的利用、コスト削減になるような場合に、その処理にコベネフィットがあるといいます。
LCA
LCAとは、製品などの天然資源採取から素材製造、製品製造、流通、消費・使用、廃棄・リサイクルに至るまで、ものの一生(ライフサイクル)にわたり、インプットとして投入する資源・エネルギーとアウトプットとして発生する環境負荷を定量的に評価する手法です。LCAについては、ISO(国際標準化機構)が国際規格を発行しており、廃棄物のリサイクルや処理の手法の環境負荷の大小をLCAによって評価することも可能です。
カーボンフットプリント
カーボンフットプリントは、ある製品の原材料調達、生産、流通、使用、廃棄・リサイクルの全段階を通じた温室効果ガス量を二酸化炭素量に換算したものです。経済産業省は、「カーボンフットプリント制度の在り方(指針)」や「商品種別算定基準策定基準」を取りまとめています。廃棄物・リサイクル関連でカーボンフットプリントを表示した製品例として「食品廃棄物を原料とした有機質の液体肥料」があります。
トレーサビリティ
トレーサビリティは、品質マネジメントの国際規格ISO9000やこれを反映したJIS規格(JISQ9000)では、「考慮の対象となっているものの履歴、適用または所在を追跡できること」と定義され、遡及性と追跡性の両方が含まれています。一般に、遡及性は、食品等の生産・販売履歴の確認に、一方、追跡性は、廃棄物等の排出から最終処分までの処理工程の確認に使用されています。いずれの場合も、消費者や使用者の安全・安心に関する信頼性を高めることを目的として採用されるもので、情報技術(IT)の進歩により、その適用が拡大しつつある仕組みです。
ITを利用したトレーサビリティの廃棄物への適用については、廃棄物の引渡しに際して必要な確認を行う電子マニフェストがその先駆となるものですが、より高い確認力が望まれる感染性廃棄物については、バーコード、QRコード(2次元バーコード)やICタグ(ICチップと小型アンテナが組み込まれ、電波により情報の読込み・読取りを行うシート状のもの)を収納容器に貼付して、個々の容器の移動過程を追跡管理する仕組みが実用化されています。
バイオハザードマーク(シンボル)
感染性物質やバイオハザード(生物学的危険源)の存在を示すマークまたはシンボルをいい、WHO(世界保健機関)やISO(国際標準化機構)など世界的に使用されているシンボルです。その図柄は、クレセント(三日月または鎌)と円環を組み合わせたものです。
廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアルは、収納する容器の外面に感染性廃棄物である旨およびその取り扱う際に注意すべき事項を明示すること、また、関係者が感染性廃棄物であると識別できるマーク等を付けることを要求しています。その場合のマークとしては、バイオハザードマークが推奨され、またその色は、収納する感染性廃棄物の性状により、以下のような色分けが推奨されています。
| ・液状または泥状のもの | : | 赤色 |
| ・固形状のもの | : | 橙色 |
| ・鋭利なもの | : | 黄色 |

バイオハザードマーク
環境省「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル、平成21年5月改訂」
CSR報告書
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」と訳されていますが、企業は、従来的な利益の追求や株主への配当に加えて、社会的存在として、従業員、取引先、ユーザー、地域社会等に対する責任を果たすべきものという考え方をいいます。CSR報告書は、このような企業の諸活動について取りまとめ、報告書として公表したものです。
CSR報告書の内容としては、環境への対応、法令遵守、労働安全衛生、社会貢献などに関する目標と活動状況と経営トップのCSRに対する取組み方針等が盛り込まれます。特に、環境への対応については、環境報告書がCSR報告書に先立って取り組まれたという経緯から、CSR報告書の中核的位置を占めています。環境省は、企業の環境への対応を促進するため、環境報告ガイドラインを発出しています。
「環境報告ガイドライン」
















